借金を整理できる?
借金をし過ぎたので返済が不可能になった、そういった場合に思い詰めてしまい、会社を辞めて退職金で払おうか、また、自己破産するしかないのではないかと思う人も中にはいます。しかし、そういった方法でなく、法的に認められている債務整理の方法として、任意整理という手続きがあり、債務者である借金をしている人と、債権者である貸主が話合いをすることによって、債務者が抱えている借金をぐっと圧縮することができます。
それでは任意整理とはどのような仕組みでしょうか。任意整理とは、これまで支払い過ぎた利息、あるいは将来にわたって支払わなければならない利息を大幅に圧縮して債務者の支払い能力を高めていこうというものです。債権者は、債務者に貸金を返済してもらえないと困ります。しかし、債務者がもう支払い能力がないのに無理に支払わせようとすると破綻してしまいます。したがって、債務者としては毎月少しずつでもいいので債務者か、返済をしめもらった方がいいので、この制度があるわけです。
注目したいのは、この制度を利用すると、貸金業者は、債務者に対して一切直接的な返済請求ができなくなるということです。したがって、債務者は精神的にも債務に追われているという危機感からずいぶんと楽になれます。この制度を利用する上でのポイントは、これらの手続きをすべて自分で行わないようにすることです。弁護士は交渉のプロです。債務者の債務を減額するためには、どの債権者に対しても徹底的に交渉し、債務圧縮のために全力を尽くします。したがって、法律事務所を通して弁護士に依頼した方が債務の圧縮幅が大きくなり、返済も楽になります。
直接相談を
まず、債務者は弁護士事務所で弁護士と直接相談をします。債権債務の状況を確認した上で、双方合意の下に任意整理委任契約を結ぶわけです。それから弁護士は、貸金業者に対し、この債権債務の整理についての交渉一切を行うことを通知します。弁護士はこれまで貸金業者と債務者との間にどのような金銭的やり取りがあったのかを全て洗い出します。その間に過払金が発生していた場合には、過払金と貸金を相殺し、債務を減額します。
さて、このような専門的な手続きだと、いくら弁護士事務所にお金を払って依頼しなければならないのかということは当然気になります。債権者である貸金業者1社につき数万円が着手金になります。また、成功報酬も10パーセント程度と、法外な額ではありません。多額の債務に苦しみ、毎月の返済に四苦八苦して追われ、借金に借金を重ねていくという状態は経済的にも精神的にも決して健全とは言えない状態です。専門家にこの問題を一任して交渉を任せ、減額された返済額で無理のない生活をしていくことで、気持ちはずいぶんと楽になるものです。
任意整理は利息をカットします。その上で返済回数を減らします。また、数社からの借入れがある時には決まった相手だけに任意整理を行うという選択もできます。この返済方法は、自由度が高い返済の方法で、債務者の選択の幅も広いのです。